7日に行われた和泉市での講演会のご報告です。
医師会長びご挨拶では、「それぞれの病気について診察室で詳しい説明をすることが難しいので、今回のような疾患毎の講演会を数多く行っていきたい。希望があればどしどし医師会事務局に伝えてほしい」とご挨拶されていました。
医師会長さんは、今春就任された新会長さんで、古くからある都市整備機構の大きな団地で開業されている内科・小児科医です。
続いて、この日のメイン講演である「C型肝炎の自然経過と治療」について、都市整備機構が新しく開発した
団地で開業されている泉谷医師が講演されました。
先生は、
C型肝炎ウイルスとその感染、感染に伴う免疫の動向とそれに伴う合併症について、相当時間をかけてお話しされました。
なぜ、インターフェロン治療が行われるのか、開発されていて次に登場するであろう新薬(酵素阻害剤)は、ウイルス排除を目的とする薬ではなく、ウイルスの増殖を抑えるためのもので、排除をめざすためには、インターフェロンと併用しなければならないことなどについて、説明されました。
泉谷先生は、講演の最後に、「私たち開業医と専門医(病院・診療所)が、連携してウイルス肝炎の治療に当たることが大事」と説明され、講演後の質問に答えて、
○ご自身の患者さんの治療体験の中に、肝硬変患者でもインターフェロンによって、ウイルスが排除されれば、肝機能は急速によくなり、線維化も消失してくること。
○当市内だけでは、病診連携の専門医療施設は少なく、隣市の総合病院とも連携しなければならない実情について触れられました。
保健所の説明
保健所からは、地域保健課長さんが、「
大阪府の肝炎対策と肝炎フォローアップ事業」について説明。
・無料のB・C型肝炎ウイルス検査を医療機関委託で行っている。
・肝炎フォローアップ事業では、B・C型肝炎患者・キャリアの方の病診連携での治療体制を作り、患者の相談を保健所の保健師も担当している。
など説明され、保健所も肝炎患者の療養に一定役割を果たしていることを紹介されました。
つづいて、「
インターフェロン治療費助成事業」を担当されている事務の方から、説明がありました。
4月から5月末までの助成申請件数が98件であったこと。
4月に申請されたもののうち、審査会をとおり、6月に「医療費受給者証」が交付される件数は21件であることも報告されていました。
申請から決定までに時間がかかっていることをわびられ、制度の内容も含めて改善が必要だと感じていることを説明されていましたが、国の制度なので困っていることなども述べていました。
府全体の5月までの申請件数が約1200件からすると、この保健所での申請件数が府の平均(人口割り)からしても突出しているようです。
肝炎診療に当たっておられるドクターも患者さんに申請すること、インターフェロン治療を積極的の進めておられることがうかがえます。
講演が終わってから、参加されていた薬害肝炎訴訟原告の桑田さん、友の会副会長のSさんとお茶をして、
薬害肝炎訴訟被害者救済法の対象にならない(証拠のない患者)へのサポートについて、現状(会員からの相談)を報告し、今後の対応についてそれぞれの立場から考えていただきたいことをお願いしました。